2022年10月21日 (金) 能楽関連
「能楽師(太鼓方)が案内する横浜能楽堂見学と太鼓ワークショップ」を開催しました
2022年10月15日、「能楽師(太鼓方)が案内する横浜能楽堂見学と太鼓ワークショップ」を開催しました。
講師は太鼓方金春流の梶谷英樹さんです。
当日の様子をご紹介します。
初めに、本舞台で梶谷さんのデモンストレーションを鑑賞しました。
太鼓の音と掛声のみ、お一人での演奏ですが、その迫力に圧倒され、思わず息を止めて見入ってしまいます。
鑑賞の後は、能舞台や能の歴史、囃子方の4種の楽器についてお話を伺いました。
笛・小鼓・大鼓・太鼓の4種の楽器のなかで、太鼓はリーダーであり指揮者役です。能の後半のメインの場面で活躍するそうです。
太鼓の出番は小鼓や大鼓に比べると少ないですが、限られた時間で他の囃子方と息を合わせなければならないので、打つ数が少ない曲ほど大変なのだそう。
ちなみに能楽の世界では「楽器」とは呼ばず、楽器を敬い「道具」と呼ぶそうです。
その後は白足袋に履き替えて楽屋に移動し、舞台裏を見学しました。
また、囃子方と同じように「橋掛かり」から本舞台へあがり、舞台の上で能舞台の説明を伺いました。
主人公を演じるシテ方が、自分の位置の目印にするための「目付柱」や、能が屋外で演じられていたときにレフ版の効果を生んでいたという、舞台の周りの白い石「白洲」など、能舞台はよく考えて作られていることがわかります。
後半は、楽屋で太鼓の組み立て見学と太鼓体験です。
太鼓は牛の革と欅の木の胴、縦と横の調べ緒(紐)で出来ています。現在は樫の木の台に太鼓を置きますが、昔は台がなく、「太鼓持ち」という職業があったそうです。
体験では、小の撥(ばち)、中の撥、大の撥の打ち方と掛け声をお稽古しました。
お稽古体験の後には、一人ずつ舞台に上がり太鼓を打ちました!
出番を待つ参加者の皆さまから緊張が伝わってきました。
歴史ある横浜能楽堂本舞台での演奏体験はいかがでしたでしょうか。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
アンケートでいただきましたコメントを紹介いたします。
・舞台で太鼓を打たせてくださるなんて思いもしませんでした。先生のご説明もとてもわかりやすく、本当に楽しかったです。能楽を違う角度から見ることができ、よかったと思います。
・プロの方直々に丁寧に教えてくださり、感動いたしました。舞台に上がったのも初めてでありがたい経験をさせていただき嬉しかったです。
・大好きな横浜能楽堂の舞台に立ち、楽屋でお稽古をつけていただき、本舞台で自分の太鼓の音をきき、夢のようです。
来年には、3日間で太鼓のお稽古と発表会を行う「3日でマスター!」も開催します。
1日では足りない!という方、今回参加できなかった方、応募をお待ちしております。