2015年03月05日 (木) 内容
黒島の旧正月で「輪っか」の正体を探る
約1年前のブログ記事で紹介しました、旧暦1月2日に沖縄・黒島で見かけた「輪っかのような『何か』」。
これは一体何なのか?その正体を探るべく、旧正月の黒島に行ってきました。
黒島は沖縄県の八重山諸島に属する、石垣島と西表島の間にある人口200名ほどの小さな島。人口の10倍以上の牛が飼育され、「牛の島」としても知られています。夏に海辺で行われる豊年祭や、2月に行われ牛一頭が当たる「牛祭り」が有名です。
旧正月行事は、東筋と仲本の二つの集落で行われます。まずは、昼間に開催される東筋へ。午後2時。集落に銅鑼の音が響き、正月行事が始まります。
南北に分かれて「正月ユンタ」を銅鑼と太鼓を打ちながら掛け合いで歌います。八重山には、こういった島の豊穣・繁栄を願う歌が多く伝えられ、昔の人々が歌に込めた「祈り」の思いが感じられます。
途中、踊りを挟みながら歌は続きます。最初は少なかった踊り手も徐々に増えていき、盛り上がっていきます。
やがて綱引きの歌へ。互いに拳で突くような動きをしたり、腕を組みあったり。竹富島で見た「腕棒」に似ているようにも思いました。
他の島では豊年祭で行われることが多い「ツナヌミン(綱の耳)」ですが、黒島では旧正月に行われます。この後、綱引きがありました。世紀の大勝負?の末、私も参加した南側の勝ち・・・と思ったのですが、勝負は引き分けだったとのこと。
五穀の種子授けも行われます。東筋にはミルク様も登場!
さて、仲本の旧正月行事は、夜から行われます。6時半頃、会場へと向かうと・・・。
そこに、ニョキッと掲げてありました。これは五穀をあしらった「旗頭」で毎年、地域の方が手作りされているそうです。一般的に目にする、飾りのついた旗とは趣を異にしますが素朴な味わいがあります。
仲本の旧正月行事も「正月ユンタ」で始まります。東筋とは歌詞が少し異なっていますね。その後も東筋とだいたい同じ様に進んでいきます。集落の人口が少ないこともあり、ツナヌミン、綱引きは、観光客も参加。そのため写真がありません。
最後に輪っか(旗頭)を躍らせます。東京から来ていた学生さんたちも持たせてもらっていました。うらやましい!
行事の後には宴会も!帰る頃には、新月の夜に満点の星が広がっていました。
本土では、海外の方が買い物をする様子ばかりが取り上げられた旧正月ですが、南の小さな島では、厳かな雰囲気の中にも、明るく楽しく新たな一年の始まりを迎えている人たちがいました。1年に2度、正月を迎えられるというのもよいですね。
それほど観光客も多くなく、落ち着いて見られる(参加できる)のでお勧めです!来年の旧正月は2月8日(月)です。
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