スタッフブログ

2014年07月16日 (水) 未分類

夏のお点前

今日は月3回のお茶の稽古日。

教室は鎌倉。紫陽花のシーズンは過ぎたものの最近はドラマの影響もあり

平日でも人が多い。表通りの喧騒も木戸をくぐれば静寂な世界。

教室はエアコンもなく静かに扇風機の風が吹いている。

今日のお軸は「一渓流水 青山繞」読んで字のごとく渓谷を流れる水は青山を巡る。

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花は「宗旦木槿」に「矢筈すすき」(鷹の羽すすきともいうらしい)

籠は竹の芭蕉かご。

そして水屋に入ると緑が鮮やかな梶の葉。

今日のお点前は「葉蓋」

梶の葉を水指の蓋に見立てた、目にも涼やかな夏のお点前だ。

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棗は円能斎お好みの亀蔵棗。九星を意匠してある黒の一閑張。

甲には中央を意味する「五星」胴には「一白」から「九紫」を星の数で表している。

やはりこの季節に合わせた道具である。

kashi

そしてお菓子は博多の鶏卵素麺「たばね」

先生が隠し包丁を入れて切りやすくしてくださってるがそれでも切りにくい。

こっそりつまんで口に入れる。甘いけれど卵黄の風味があって素朴な味。

 

昔は七夕に梶の葉に願いを込めて書いていたという。墨の文字が消えないらしい。

毎年その話を聞くが、いつも本当に墨が消えないのか試してみようと思い今年もしなかった。

来年こそは試してみようと帰るすがら思うのだが・・・

 

むつき

 

2014年07月04日 (金) 未分類

梅雨の過ごし方

しばらく嫌な雨が続いていますね。

おすすめの梅雨の過ごし方は、ございますか?

 

梅雨といえば「紫陽花」です。

 

 

毎日、少しずつ色は変わっていきます

きれいに色付いた瞬間の為なら苦手な雨もなんのその。

カメラ片手に外へ飛び出します。

 

青に紫、ピンクや白と鮮やかな色が目に入ると気持ちも明るくなりますよね。

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鎌倉にあります円覚寺は王道ではありますが、やはり見応えがあります。

しとしとと雨の降る中、境内を歩くだけでも気分が晴れるというか

疲れが吹き飛ぶんです。明日から頑張ろうって紫陽花に元気をもらえる気がします。

 

そんな、私の梅雨の過ごし方でした。

雨も案外、悪くないのかもしれませんね…。

 

こたろ

2014年06月16日 (月) 未分類

夏休みの自由研究

関東は蒸し暑い日が続きます。梅雨が明ければ、子どもたちはもう夏休みですね。

皆様、夏休みのご予定はお決まりですか?

私はまださっぱり。

 

小学生の頃、都会そだちの私は、毎年親の実家に里帰りするのが楽しみでした。

 

両親の家はそろって農家。家の周囲は田んぼと山。

だから夏休みは、とんぼや蛙を追ったり、海で泳いだり、釣りや木登りして過ごしました。

にわとりの世話や薪割り、野菜の出荷などのお手伝いも、楽しくて遊び気分でした。

 

とくにおもしろかったのが、お風呂焚き。

雨の日は太陽光給湯器が使えないので、お風呂の外に設置された窯で、

薪を燃やしてお風呂を沸かすのです。

薪を組み、新聞紙や枯れ枝で焚きつけ、空気の通り道を作りながら薪を足して…と、

おじいちゃんに教えてもらいながら火の扱いを覚えます。

最初は燃やし続けるのは難しいのですが、やっているうちにコツがわかってきます。

じきひとりで任せられるようになると、少し大人になったような気分がしたものでした。

 

楽しい夏休みも半ばを過ぎると、残っているのは宿題と自由研究。

自由研究はいつもやることが決まらなくて困り果てました。

考えてみたら、お風呂の焚き方だって立派な自由研究になるのになあ!

珍しい田舎の暮らしも、当時は当たり前過ぎて、研究対象とは考えられませんでした。

 

いまどき夏休みの自由研究は、子どもだけでなくお父さん、お母さんにも悩みのタネだとか。

 

私からアドバイスできるとしたら、身の回りのことや既に予定していることをレポートにしては?

というものですが、思いつかない方にご提案。

たとえば子ども向けのワークショップに参加して、それをレポートするのはいかがでしょう?

 

まずは立ち方をお稽古(昨年の様子)

横浜能楽堂での「夏休みこども狂言ワークショップ」(昨年の様子)

 

横浜能楽堂では、夏休みこども狂言ワークショップを

7月27日(日)・8月4日(月)~6日(水)の4日間で行います。

対象は小学生から中学生まで。

初日は公演を鑑賞し、8月の3日間で一流の狂言師さんのもと、

立ち方や座り方、扇の使い方、歩き方を学び、狂言の一場面を演じます。

演目は6年生の教科書にも載っている「柿山伏」です。

 

扇を扱い。かっこよく持てるかな?(昨年の様子)

扇を扱います。かっこよく持てるかな?(昨年の様子)

「柿山伏」の一場面!(昨年の様子)

狂言「柿山伏」の一場面!(昨年の様子)

 

正座や和室の立ち居振る舞い、最近は教える機会も少ないですよね。

この機会にぜひお子さんに楽しく経験させてあげてはいかがでしょう?

 

ひまわり

 

2014年05月31日 (土) 未分類

バラを眺めて

皆様こんにちは。あん娘です。

気温が高い日が続いていますね。

6月は衣替えの季節。

夏が一歩一歩と近づいています。

 

この季節、見ごろをむかえているのがバラですよね。

私も見てきました。

 

バラのゲート

とってもにぎわっていましたよ。

華やかで、香りも素敵。

バラを眺めているとロマンチックな気分になりますね。

 

 

あっ。紫色のバラを発見!

紫色のバラ

紫のバラで思い浮かぶのは、少女漫画「ガラスの仮面」。

北島マヤちゃんも姫川亜弓さんも、まだまだ『紅天女』をめぐって競い合いを続けています。

そうそう。

とうとう、マヤちゃんと紫のバラの人が思いを確認し合いまして、今後の恋の行方も気になるところ。

ん~早く続きが読みたい。。。

 

そういえば今年は、漫画「ベルサイユのばら」の登場人物をイメージしたバラがお披露目されたとか。

私にとっては、『ベルばら』と言えば宝塚歌劇団です。

田舎で育った私は、近くに劇場もなく、舞台を見に行く機会もなかなかありませんでした。

「タカラヅカ」との出会いも、高校生の頃、母娘ともに「ヅカファン」の友達が貸してくれたビデオテープでした。

オスカルとアンドレのデュエット『愛あればこそ』にキャーとなり、

目のみえないアンドレの愛に、もう涙涙……。

その友達には『ベルばら』の他にも、たくさんビデオテープやCDを貸してもらいました。

 

実際に舞台を見に行ったのは、それから2年くらい後だったと思います。

映像で見るより、男役はカッコよく衣装もセットも華やかで、

すっかり舞い上がった私は、そのテンションのままビデオテープを貸してくれた友達に電話をかけていました。

本物の舞台の魅力って、本当にすごいですよね。

 

 

出会いのきっかけをくれた友達に感謝しつつ、バラを眺めたひとときでした。

真っ赤な大輪のバラ

 

 

 

 

皆様の出会いのきっかけになることを願って、最後にちょこっとご案内。

 

横浜能楽堂まで、行けないの!!

そんな皆様は、ぜひ「横浜狂言堂 ニコニコ動画実験生中継」をご覧ください。

今回の放送は、6月8日(日)午後2時開演

茂山千五郎家の出演で、狂言「瓜盗人」と「二人大名」をお送りします。公演終了後には、ニコニコ動画だけの特典、アフタートークもありますよ。

タイムシフト予約をしていただければ、放送終了後から1週間は放送を見ることができます。

ご予約はこちらから

※平成26年度は、8月10日(日)・11月9日(日)・12月14日(日)・3月8日(日)にも開催予定です。

 

お子様にだって本物の舞台を見てほしい!!

そんな皆様には「夏休み親子能楽ワンダーランド」がおススメ。

7月27日(日)午後2時開演

鑑賞と体験が一日にできてしまう公演です。演目の上演前には、ミニワークショップと解説がついて、親子で能楽の世界を楽しめます。

詳細はこちら

 

あん娘

2014年05月15日 (木) 公演情報

実感!古典芸能を「聴く」楽しみ

暗闇で聴く古典芸能

 

 

先月、沖縄タイムスに、企画公演「暗闇で聴く古典芸能」について寄稿させて頂く機会がありました(4月29日に掲載されております)。開催経緯や古典芸能を「聴く」ことについてあれこれ書いたのですが、正直なところ、私、普段あまり能を「聴くもの」として意識しておりませんでした・・・(汗)

 

 

その原稿を書いた翌々日。能「江口」を観ました。言わずと知れた鬘物の名曲で、これまで何度も観ています。その序盤は、次第に始まり、名ノリ、道行、アイとの問答、ワキのサシ謡、そしてシテの呼掛と、お決まりのやり取りが展開します。

 

 

原稿を書いた直後ということもあって、ついつい「聴く」ことを意識しながら観ていたのですが・・・すると、いつもに増して面白いのです!次第の囃子、大小のコイ合(三ツ地)の音と間、そこに笛が絡んできた時の音楽的な豊かさと言ったら例えようのない素晴らしさ。そしてワキの謡の繊細な節遣い、アイの明朗な口跡。言葉がその意味を超えて耳を楽しませ、心を震わせるのです。ちょっと意識するだけで、ここまで聴くことから得られる情報が多いとは・・・もう、目から鱗でした。そして、シテの呼掛、これは揚げ幕の奥、見所からは姿が見えないところから響いてきます。もうこれは、能が「聴く」芸能であることを実感せざるを得ませんでした。

 

 

さらに、この日の「江口」には「平調返」の小書が付いていました。この小書は、序之舞の序の部分に特殊な囃子が奏されるもので、大変重く扱われておりますが、曲に劇的な変化をもたらすものとは言えません。また「平調返」の際には、後シテの出に常の一声ではなく「沓冠之一声」と呼ばれる、これまた特殊な囃子が奏されますが、これもシテの演技には直接関係のないものです。こういったものが大切にされているのは、やはり能が「聴くもの」であるためのように思えてなりませんでした。

 

 

能を「聴く」楽しみを知ってしまった私は、後日観た組踊「大川敵討」でも「聴く」ことを実践。第一場の乙樽の唱えや、東江節などの聴きどころで思わずニヤニヤしてしまったのでした(笑)

 

 

さて、6月21日(土)開催の「暗闇で聴く古典芸能」では、「聴く芸能」と呼ばれる能、組踊、文楽の名手たちが勢揃い。名曲と知られる「西行桜」や「卅三間堂棟由来」、一管の秘曲「津島」や本土で初上演となる語り組踊「手水の縁」を上演します。照明を落とした真っ暗な会場、聴くことだけに集中できる環境で古典芸能がどのように皆様の耳に届くのか・・・?お楽しみに!

 

 

公演詳細はこちら↓

https://yokohama-nohgakudou.org/schedule/?p=1047

 

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2014年04月30日 (水) 公演情報

この夏、横浜にスイス・ロマンド管弦楽団がやってくる!

ゴールデンウィーク真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年はうまく休みが連ならず、3連休だけという方もいれば、28日をお休みにして、4連休を加える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなゴールデンウィークが過ぎて、1か月もすれば梅雨がやってきます。そして、そうこうしている間に夏に突入していきます。

 

7月6日(日)、横浜能楽堂には、スイスからお客様がやってきます。
それは、スイス・ロマンド管弦楽団のメンバー!
お昼は横浜みなとみらいホールにてコンサートを行い、夜にはその中から弦楽四重奏とフルートの5名が横浜能楽堂で演奏します。
まずクラッシックの演奏者が横浜能楽堂の舞台に上がるのが、初めてのこと。
そこで彼らがクラッシックを演奏するだけでなく邦楽の深海さとみさん、藤原道山さんと共演もします。なんと最後の曲では、京都の上七軒の芸妓さん、舞妓さんと一緒に共演しちゃいます!
個人的には、これがとっても楽しみ。かわいいだけでなく、踊りの上手な芸妓さんと舞妓さんで、きっと皆様の目を、心を、楽しませてくれるでしょう。

 

芸妓・舞妓のお二人

 

 

これだけ聞くと、よくある和楽器と洋楽器のコラボレーションね、と思われるかもしれませんが、それだけじゃないんです。

 

これは、学術的な意味もあるのです。
それは日本・スイスの国交が樹立された、今から150年ほど前のこと。西洋化の波がおしよせ、日本にクラッシック音楽が流入してきました。
それから現在に至るまで、日本の音楽家は、和と洋の音楽を融合した音楽を生み出してきました。
その代表的な曲がお正月におなじみ、宮城道雄作曲の「春の海」です。そのほかにも、佐々紅華作曲の「祇園小唄」など、多くの曲が作られてきました。
この公演では、和洋の音楽が融合された曲を演奏し、近代音楽史の一大潮流を舞台上で再現する、という試みなのです。

 

140年の歴史のある舞台で、クラッシック演奏者と邦楽演奏家、そして、芸妓・舞妓が共演する・・・なんて公演、後にも先にもないかもしれません。
ぜひこの夏、横浜能楽堂で日本の音楽史に思いを馳せてみませんか。

 

詳しくは↓
 https://yokohama-nohgakudou.org/schedule/?cat=51&cat2=7&cat3=15&x=51&y=27

 

さきほどの「春の海」について、「和と洋の音楽が融合された曲?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、追記します。
日本の音楽の代表格と思われる「春の海」ですが(邦楽曲の有名な曲ではあるのですが)、実は洋楽の要素を取り入れて作曲された曲なのです。
原曲は箏と尺八ですが、バイオリンと箏の演奏もあり、宮城道雄とフランスのバイオリニスト ルネ・シュメー女史との演奏を収録したレコードがフランスやアメリカでも発売されています。

 

 

ぼたん

2014年04月13日 (日) 日々の出来事

3年越しで計画実現!その2 (完結編)

前回は自宅を出発し「道の駅田園プラザ川場」までを紹介。
(2013年12月のブログにて)
およそ500Kmのドライブを計画しているので、ここは無理をせず
ひとまずどこかで1泊。
考えた末、温泉地が良いなと・・・。
気ままな旅なので選択肢としては①道の駅で車中泊(野宿ができる準備もしました)
②日帰り温泉場で宿泊可能な場所 ③比較的安く泊まれ1泊2食付き・・・等。
不精な私としては安易に③を選択。
そこで温泉地の宿へ片端から電話!!
何件か電話しOKが取れました。一安心!!
(観光シーズン突入の為、断わられるケースが多くとてもラッキーでした)
宿が取れた場所は草津温泉。
ナビで早速、草津温泉を設定し「道の駅田園プラザ川場」を出発。
夕方、宿に到着。早速散策へ・・・。
途中、温泉まんじゅう(試食)を口にほおばり温泉街と湯畑を散策。

 

 

P1010224

 

 

宿の夜食は広間でバイキング形式。 一人で食べていると、○○様御一行の団体が通り「1人で食事とは寂しいわね!」 あっはっは・・・・と笑笑。 とても複雑な気持ち? (返事に困った!!) たらふく飲んで食べて熟睡・・・。 次の朝、ダイナミックな高原ドライブを楽しみ志賀草津高原ルートを通って帰宅しようと・・・。

 

(標高2172mのルート最高所の渋峠を越え変化に富んだ山岳パノラマを満喫し、 国立公園ならではの奥深い自然にふれることができる。) 湯煙の中を進むと、白根山の上り坂に差し掛かかります。

 

 

 

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目論見としては山腹を4輪駆動で7速ATを駆使しカーブをスイスイと登っていく・・・。筈だったがうまくいかず「腕が落ちた!もう若くない!!」と痛感。
無理をせずに所どころで休憩を決意!!
途中、白根山では車を降りて山頂まで歩き神秘的なエメラルドの水をたたえる湯釜
を見学。

 

 

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引き続き雲上のパノラマハイウェ-を爽快にクルージングし志賀高原から帰路へ。

 

 

 

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自宅→練馬I.C-(関越道)→関越自動車道「沼田IC」→川場村「道の駅田園プラザ川場」→草津→志賀高原→R292号線(オリンピック道路)→信州中野IC→更埴JCT(上信越道)→藤岡JCT→練馬I.C-(関越道)→自宅までの一泊二日の旅を満喫!満喫!
おわり。
(ターニヤ)

 

2014年03月31日 (月) 日々の出来事

それでも桜が大好きです

いよいよ桜の季節です。

横浜能楽堂への通勤は、急な紅葉坂を

上らなければならないので閉口しますが、この季節だけは別です。

道々の桜を眺めていると、素直に「日本に生まれて良かった」と思えます。

 

不思議なもので、桜を眺めていると、これまでの人生の様々な瞬間が鮮やかに蘇って来ます。年齢と共に、記憶の衰えが著しいにも関わらず…

 

妻との結婚が決まり、仙台在住の知人に仲人をお願いに行く旅の途中、妻・義母と3人で福島・三春の滝桜に立ち寄ったのですが、まだ寒く、残念ながら桜は蕾のままでした。その義母も、もうこの世にはいません。

その義母の母、つまり妻の祖母の葬儀の時は、マイクロバスで斎場へ向かう途中の道の両側の桜並木が、これ以上無いというほど満開でした。

 

先日、亡くなったことが報道された人気イラストレーター・安西水丸さんと京都で飲んだ時は、料理屋・隠れ家バーと梯子をした後、咲き誇る高瀬川沿いの桜を背に、2人でカウンターに並んで、閉めの豚骨ラーメンを食べました。

新聞を開き、突然の訃報に立ち尽くしながら、脳裏には、この時の情景が鮮やかに蘇って来ました。

 

桜にまつわるのは、悲しい思い出ばかりのようですが、それでも、私は桜が好きです。

 

(そっぷ)

2014年03月14日 (金) 日々の出来事

りんぷうの会 能楽写真展

 能楽写真家の神田佳明さんが主宰する「りんぷうの会」の展覧会が、日比谷の図書文化館で開かれているということで、仕事の合間をぬって行ってきました。

 

 サラリーマンが行き交う有楽町駅を降りて、日比谷公園のゆったりした通りを抜け、展覧会の会場に入ると、大きな部屋の壁一面に能楽の写真が展示されています。『小鍛冶』『玉葛』『山姥』『野宮』など、どれも力作揃い。シテによる舞を、普段は目にすることができないようなクローズアップで見ることができます。どの写真も、撮影者独自の視点で、これぞ!という瞬間を切り取ったものに、渾身のタイトルがつけられています。

 

 霊孤や玉葛を演じようとするシテの息遣いが、写真によって一瞬を切り取られることで、より迫ってくるように思います。躍動感あふれる舞の様子や、扇を返す微妙な動きなど、自分一人で見ていたら見逃してしまうような瞬間を、絶好の角度から見せてくれます。私自身、まだまだ能を見始めたばかりで、何をどう見ればいいのか…思ってしまうことも正直言って多々あるのですが、撮影された方の視点も借りることで、少しだけ能に近づけるように感じました。聞こえるはずのない謡までも、まるで腹の底から響いてくるようです。

 

 ブログ写真02

神田佳明「嵯峨野に秋の風、幣(へい)揺れる(野宮)」

 

 写真には、面をつけて霊孤や御息所を演じようとするシテの、舞台上での心の動きとともに、それを見る撮影者の気持ちも写りこんでいるようです。撮影されている方も、写真を撮ることで、シテとともに舞を舞っているようでした。

 

(第9回りんぷうの会 能楽写真展 常(とわ)に輝く幽玄の美

 併催 寺田良子アート展/古谷久夫・綾子 能・狂言面二人展 

 2013311日(火)~16日(日)@日比谷図書文化館1階特別展示室)

 

(こまこ)

2014年03月05日 (水) 日々の出来事

桃の花

皆様こんにちは。
インフルエンザの季節も過ぎ、気温が高い日も徐々に増え、すこしづつ春の訪れを肌で感じられるようになりました。
春といえばやはり、「桜」ですかね…。

しかし、そのほかにも春のイベントはいろいろ。
七草粥も広い意味では早春のイベントでしょうし、節分などもあります。
3月はやはり「雛祭り」桃の節句です。(五人囃子の笛太鼓~♪)
その起源は判明しておらず、平安時代にはすでに貴族の子女の遊びごととしてその原型に近いことが行われていたようです。

春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道にいで立つ乙女
(大伴家持)

大変有名なこの歌。
直接、ひな祭りには関係ありませんが「桃」でつなげてみました。
さわやかな春の様子よりももう少し、色彩の濃い、濃厚な香りを私は感じています。

 

万葉の歌人も歌に詠んだ桃の花。
時代は違えど、自然はほぼ形を変えていないはず。
家持になった気で自然を眺めれば、空想が広がって毎日が少し違った気分で過ごせるような気がします。

(桃太郎)

桃の花

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