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2020年03月30日 (月) 内容

初企画「おとな狂言ワークショップ」を開催しました。

2月7日(金)、2月14日(金)、2月21日(金)に全3回の「おとな狂言ワークショップ」を開催しました。横浜能楽堂では、平成14年から「こども狂言ワークショップ」を継続して開催しておりご好評をいただいています。本企画は、そのおとな版を初めて開催する試みでした。参加者は約30名で、年代は40代から70代とまさに「おとな」。狂言方大蔵流山本東次郎家の則重師と則秀師に、足の運び、扇の使い方、謡と小舞など狂言の基礎を実技指導していただきました。最終日には本舞台に上がってお稽古の成果を発表する、という内容。ここで少しご紹介させていただきます。

 

第1回目
第二舞台で小舞「盃」のお手本を見てから、足の運びと扇の使い方のお稽古をしました。
お稽古のゴールとして、則秀先生から狂言「柿山伏」をパートに分けて少しずつ担当してリレー方式で演じるご提案がありました。参加者の皆さんの合意のもと、最終日に本舞台に上がり、全員で「柿山伏」を演じることになりました。ゴールを設定してお稽古スタートです。

 

参加者の感想
・第1回目にもかかわらず懇切な解説と指導があった。間近に先生方の演技、練習の様子を拝見して感激した。
・カリキュラムを事前に発表してもらえたら。ついていくのがむずかしい。人数も少し多いかな。

 

第2回目
第二舞台で「柿山伏」のお手本を見てから、「盃」の謡と小舞を練習しました。「柿山伏」の詞章を30のパートに分け、各自の担当部分をご自宅で確認したしていただくよう宿題になりました。

 

参加者の感想
・前回の復習があり、わかりやすかった。事前に、当日のプログラムがわかっていたらよりよかった。
・むずかしい。もっと基本から。人によってちがうから。レベルに合わせて欲しい。扇の使い方は出来ない人には別に教えて欲しかった。

 

第3回目
当初は、本舞台での発表は「盃」の謡と小舞、「柿山伏」をリレー方式で全員で演じました。

 

 

また、切戸口の出入りの所作もお稽古しました。

 

そして、本舞台に移動し、全員で「柿山伏」を通しで練習、いよいよ発表タイムへ。発表会には、ご家族・関係者の見学もありました。
まずは「盃」の謡と小舞です。第二舞台の時より更に堂々としていらっしゃいます。

 

一旦切戸口から下がります。出入りの所作も第二舞台でのお稽古通り順調です。

 

そしていよいよリレー方式でつなぐ「柿山伏」を発表。
山伏が揚幕から出て「貝をも持たぬ山伏が、貝をも持たぬ山伏が、道々 うそを吹こうよ・・・」から始まりました。

 

 

 

則重先生・則秀先生のフォローがあり、最後まで無事につながりました。私は見所側から見ていたのですが、皆さまの気迫に圧倒されていました。
発表後には第二舞台に戻り質疑応答。こうして全3回のワークショップが無事に終わりました。

 

全3回を通しての感想をご紹介します。
・短い間ではあったが能楽堂のサポートもあり、楽しく又勿体ない位のご指導を頂き良い経験になった。
・プロの方に直接指導を受けられる体験は大変貴重でした。腹から声を機会はそうないので、それも得がたい体験でした。さらに能舞台に上げさせていただけたのはすごく大きな体験でした。

 

ご参加いただきました皆さま、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。お仕事等でお忙しい中、3週連続の金曜日の夜にワークショップに参加するということにはご苦労のあった方もいらっしゃったと思います。また、今回は初の試みでしたので、運営上至らない点も多々あったのではないかと思います。
今思いますと、もし1週間遅れた日程で開催していたら、新型コロナウィルス感染症拡大防止対策のため3回目は開催できていなかったかもしれません。あらためて全3回を無事に開催できたことに感謝いたします。

 

来年度につきまして企画はこれからですが、皆さまのご期待にそえるようなワークショップを開催していきたいと考えております。只今臨時休館中ではありますが、事態が収束しましたらまたぜひ能楽堂にお越しくださいね。

 

はぜの木

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