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2020年03月30日 (月) 内容

「能楽師(シテ方)が案内する横浜能楽堂見学と能楽ワークショップ」を開催しました。

ログアップがすっかり遅くなってしまいました・・・。
令和2年2月1日(土)に「能楽師(シテ方)が案内する横浜能楽堂見学と能楽ワークショップ」を開催しました。案内役はシテ方観世流の梅若紀彰師です。10:00の回23名、19:00の回26名の皆さまにご参加いただきました。本当にありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策についての報道が連日流れ、少し気分も落ち込みがちですが、ワークショップ当日の楽しい様子をお伝えできれば幸いです。

まずは第二舞台で扇の持ち方の説明のあとお稽古をスタート。3グループに分かれて順番に能舞台に上がり、「構(カマ)エ」、「運(ハコ)ビ」、「サシ込(コ)ミ」、「ヒラキ」という能の所作を体験してみました。
紀彰先生のご説明では、能の動きはこれ以上ない最小限の動きであり、ロボットの「ASIMO(アシモ)」の重心の取り方、身体の使い方に似ているとのことでした。もしかしたら、ロボット開発には能の舞の型が参考にされているのでは?

 

舞台上でお稽古しているグループだけでなく、下で待っているグループも真剣そのものでした。

 

そして本舞台に移動して先生のお話の後に、参加者だけに仕舞を披露してくださいました。とっても贅沢な時間でした。

 

見所を後にして舞台裏見学をスタート。
装束の間では、夕顔の精の「半蔀」用に制作された装束を見学しました。紀彰先生がお持ちくださった装束で、昨年主催された日仏交流160周年の公演「伽羅沙 GARASHA」では、駐日フランス大使のローラン・ピックさんが着たそうです。

 

鏡の間では、面を見学しました。手前から、小面、若女、般若、獅子口(ししぐち)の面です。

 

面には全ての表情が包含されておりちょっと動いただけでも表情が出てしまうため、面をかけたら動かないことが大事だとのことでした。

 

面をかけるととても視野が狭くなるということを、紀彰先生がひとりひとりに体験させてくださいました。

 

終了後のアンケートには多くの皆さまにご協力いただきありがとうございました。
ここで自由意見を少しご紹介します。

・普段なら決して入れない場所に入れて面白かった。舞台のつくりもたくさんの意味や工夫があり、興味深かった(10代女性)。
・足運びや腕の動かし方など、面白い身体の使い方を知ることができた。(20代男性)
・紀彰先生のご説明はとても論理的で、でも具体的でとても分かりやすくすごく勉強になりました!(40代女性)
・足さばきの指導、先生のお話を通して舞台を見る時の理解が深まったと思います。充実していて楽しかったです。(40代女性)
・能楽師の方から舞台の活きたあり方を説明されたこと自体が響き入りました。(60代男性)
・舞台でのワークショップの時間を長くとってくださり、個人個人にも助言くださった。又、貴重な面を持参してくださり、面もつけさせていただいた。(60代女性)

 

 

ワークショップ番外編

個人的には、紀彰先生のお召し物をいつも楽しみにしています。この日は、遠目には紺地のお着物と薄茶の袴に見えますが・・・、近くでよお~く拝見しますと、お着物は黒・墨・紺などがミックスした織で、袴は黒と黄色の細い縞でした。素敵過ぎます!!!

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため3月の主催事業はすべて中止となり、只今臨時休館中です。公演やワークショップ、施設見学会が行えることが実は当たり前ではないということを改めて実感しております。事態が収束して、また皆さまにお目にかかれる日を楽しみにしております。

 

 

はぜの木

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