2013年11月23日 (土) 内容
鞍馬天狗参上!!
「鞍馬天狗」といえば、シテが天狗で子方が源義経で、花見の稚児がたくさん出て来る華やかな太鼓物のお能を思い浮かべる方も多いかと思いますが、今回は90年前に誕生した「鞍馬天狗」をたずねてきました。場所は横浜を代表するスポットの1つ、港の見える丘公園にある大佛次郎記念館です。
はい。能「鞍馬天狗」ではなく、大佛次郎作の時代小説「鞍馬天狗」です。
現在、「大佛次郎没後40年記念 テーマ展示Ⅱ『鞍馬天狗』誕生90年」が開催されています。
「鞍馬天狗」の誕生のきっかけから(なんときっかけは関東大震災。)、雑誌や書籍、映画のポスターや子どものおもちゃまで「鞍馬天狗」に関するあらゆる資料が展示されています。
そのなかで、鞍馬天狗ゆかりの方からの色紙の展示コーナーがあり、5年前にNHKで鞍馬天狗を演じた野村萬斎さんの色紙も飾られていました。「鞍馬天狗参上!」という言葉とともに、鞍馬天狗の絵が描き添えられていたのにびっくりしました!!隣の展示室には放映当時の萬斎さんの写真入りの記事なども展示されていました。
ところで、大佛次郎、ご存知ですか?横浜生まれなんです。「ダイブツジロウ」と読んでしまいそうになりますが、 「オサラギジロウ」 です。小説を書き始めた時に鎌倉大仏の裏手に住んでいたことから「大佛」という名字を、本物の大佛さまが「太郎」だから、自分は謙遜して「次郎」としたそうです。実際にこのあたりには「大佛」と書いて「おさらぎ」と読む北条氏の一族が住んでいたそうです。ペンネームは「大佛次郎」の他にもいくつもあって使い分けていたそうです。
(いろんなペンネームの原稿料袋も展示されていました)
大佛次郎は猫が大好きだったそうで、生涯で500匹くらいの猫と過ごしたそうです。なので、館内のあちこちに猫がたくさんいます。
玄関にも!
寝室を再現したお部屋にもたくさんの猫がいました。猫ちゃんたちを探すのも楽しみの1つです。
そして、大佛次郎記念館は、建物自体もとても素敵で、館内に入ると白い壁に青いガラスの光が反射してとても幻想的です。カメレオンガラスと呼ばれる特殊なガラスが窓にはめられていたり、随所にこだわりがあります。ここではとてもとてもご紹介しきれないので、ぜひぜひ、一度足をお運びいただき、実際に雰囲気を感じていただけると嬉しいです。
大佛次郎が好きな人、鞍馬天狗が好きな人、建築が好きな人、やっぱり猫が好きな人、いろんな方に楽しんでいただける空間です。
近くにはジブリの映画「コクリコ坂から」に出てくる旗や説明のパネルもあり散策も楽しめます。(そういえばジブリの映画「風立ちぬ」には野村萬斎さんも声の出演されていましたね)
お天気のいい日がおすすめです!
茶三杯