2015年03月16日 (月) 公演情報
横浜能楽堂の春と言えば…『バリアフリー能』!
こんにちは。
寒さが続く日も少なくなり、1日1日と暖かい日が増えています。
みなさま、お変わりありませんでしょうか。
私は2月の初め、春を探しに大倉山へ梅を見に行ってきました。
花はまだ少ししか咲いていませんでしたが、
「あったかい春ももうすぐだなぁ~」と、とっても嬉しい気分になりました。
『春』って気分が弾んできますよね。
みなさんは、どんなことで春を感じますか?
横浜能楽堂の春と言えば…『バリアフリー能』の季節です。
近年では3月の桜が咲き始める頃に開催していて、今年で14回目になります。
『バリアフリー能』は、可能な限りサポート態勢を整え、障がいのある方が、
能・狂言を楽しむに当たってのバリアを取り除こう、平成12年から始まりました。
「介助者1名無料」をはじめ、視覚障がいの方へ「副音声」や「能舞台の触図」、
聴覚障がいの方へ「手話通訳」や「パソコン通訳」、
そのほかにも「途中入退場可」や「詞章[台本]配布」など、さまざまなサポートをご準備しています。
現在ご用意しているサポートも、すべてが第1回公演からあったわけではありません。
開催を重ねるごとに、改善の余地や新たに必要なサポートがないか、協力頂いている各障がい関係者団体の皆様や
ご来場いただいたお客様からご意見を伺い、ひとつひとつ数を増やしてきました。
開催を続けてこられたのも、『バリアフリー能』に興味を持ち、
楽しみにしてくださる方々いてくださるからこそです。
さて、
そんな「バリアフリー能」で、今年実験導入するのが、
聴覚障がいの方向け字幕配信用のメガネ型ウエアラブル端末です!
エプソン「MOVERIO(モベリオ)」
このメガネをかけて舞台を見て頂ければ、目線の高さに台詞や詞章が表示されます。
文字は、『音声電子透かし』という人間の耳には聞き取れない音声信号情報によって配信しています。
この方法なら、無線LANなどの電波で配信する際にありがちな、通信障害がおこりにくいそうです。
そしてメガネも、より小型&軽量のものが作られています。
それがこちら!
オリンパス「MEG(メグ)」〔試作品〕
私がこのメガネを初めて見せて頂いた時の一声は、「ドラゴンボールのベジータのメガネみたい!」でした(笑)。
日本の科学技術は、すごいなぁと思います。
その最新科学技術と古典芸能である「能楽」が、横浜能楽堂で出会うのです!!
ただ、メガネって3D映画を見ていても思うんですけど、結構気になるというか、鼻が痛くなるというか…
(いやいや、けして鼻が高いわけではないですよ。)
今回は、ストレスフリーで見られるiPodtouchやiPadもご準備しています。
※現在(3月15日)のところ、字幕配信限定座席のメガネ席は残席僅少です。
iPodtouch席・iPad席は、若干お席がございます。
この『聴覚障がいの方向け字幕配信』も、聴覚障がいの方の「膝の上に置いた台本と舞台を交互に見るのは大変」という言葉から、平成25年3月開催の第12回『バリアフリー能』から導入したサポートです。
伺ったご意見をすべて形にすることは難しいのですが、
人と人とのつながりやアイデアに技術、そして思いが『バリアフリー能』を少しずつ進化させています。
『バリアフリー能』は障がいのある方だけの公演ではなく、
障がいのある方もない方も一緒に能狂言を楽しんでもらいたいという思いを込めた公演です。
春の暖かい日差しの中、『バリアフリー能』に足をお運び頂き、
ぜひみなさまの感想や思いをお聞かせくださいませ。
『バリアフリー能』
日時:平成27年3月21日(土・祝)午後2時開演(午後1時開場)
演目:お話 本田芳樹
狂言「文荷」(大蔵流)山本泰太郎
能「巻絹」(金春流)髙橋 忍
詳細はこちら→https://yokohama-nohgakudou.org/schedule/?p=1179
あん娘