スタッフブログ

2018年10月16日 (火) 日々の出来事

人形劇の祭典

昨年12月、横浜能楽堂で人形アニメーション作家の川本喜八郎さんに焦点をあてて、映像上映と能とチェコの人形劇を上演するという公演を開催しました(日本におけるチェコ文化年2017 横浜能楽堂特別企画公演「川本喜八郎の世界―人形劇・能・人形アニメーション」)。

そのときにチェコから招聘した人形劇の「アルファ劇団」がふたたび日本にやってくるときいて、今年の8月、かねがね気になっていた「いいだ人形劇フェスタ」に行ってきました。

 

開催地は長野県の南部に位置する飯田市。横浜からは高速バスで4時間半ほど。車内から諏訪湖を眺めたりしながら、あっという間に到着。国内外からたくさんの人形劇が集結するフェスを開催中とは思えないひっそりとした駅前は、ちょっと秘境めいた雰囲気。観光案内所でいろいろ情報を入手しつつ、まずは腹ごしらえ。

 

 

観光案内所のお姉さんイチオシの中華料理屋さん「新京亭」。うどんのようなのどごしのよい麺とさっぱりとした醤油ベースのスープに、飯田名物の揚げ餃子。優しい味で、とてもおいしかったです。

 

「いいだ人形劇フェスタ」は、毎年8月上旬に飯田市で開催されている日本最大の人形劇の祭典。1979年に「人形劇カーニバル飯田」としてスタートし、1999年に現在の名称に改称、トータルで今年は40周年の節目。プロ・アマ問わず、現代人形劇から伝統的な人形芝居まで、様々なスタイルの人形劇が大集結、海外からもバリエーション豊かな劇団が参加。今年は市内約120ヶ所で480ステージの上演があったとのこと。すごい規模です。(フェスタのHPはこちら)

 

 

こちらは会場のひとつ、飯田文化会館。公演の開場待ちで数百名のお客さんが並んでいました。(お客さんのお顔が写っていたので、フェスタの公式キャラクター「ぽぉ」に登場してもらいました。)日中、街を歩いていても人の気配が全然ないのに、公演会場はどこに行っても大混雑。満席で入れない公演もあり、残念な思いをしたことも。昭和な雰囲気ただよう街中がひっそりとしているからといって、日本最大の祭典をあなどってはいけません。

 

今回は、せっかくなので海外の劇団の公演を中心に観てきました。
人間の等身大の人形を使って神と人との静謐な関係性を描いたドイツのユニットの作品や、クレイアニメの実写版のように粘土を使ってさまざまに情景を作り変えていくイランのグループの実験的な作品、肘から指先までのみを使って表現するネオンサインのような楽しい造形が展開するロシアのカンパニーのエンターテイメントな作品等々。
一口に「人形劇」と言っても、その表現方法はものすごくバラエティに富んでいて、幅の広さに目を見開かされました。

 

そして、いよいよアルファ劇団の公演。

 

 

横浜能楽堂で昨年上演した際は、能舞台にマリオネットが出遣いで登場するシンプルな演出だったのですが、今回は野外にテントを組んでの上演。上演中、窓やカーテンの部分が開いて額縁のようになり、そこが小さなステージとなって劇が展開します。演目は「三銃士」。

 

このような上演スタイルはチェコでトラディショナルなものとのことですが、演出に現代の感覚も感じられました。ヨーロッパの民俗音楽が下地になっている音楽や歌も(曲はオリジナルとのこと)ワイルドでかっこよく、観終えたあとしばらく頭のなかをループするキャッチーさもあったりして、親しみやすく楽しめました。長きにわたって継承されてきたチェコ伝統芸の現在形、小さい人形ながら迫力もあり、見ごたえ満点でした。

 

最後のカーテンコールでは、出演した人形が全部登場。これを4~5人で汗だくになりながらテントの中で操っているとのこと。人形は袋状になっていて、下から手袋のように手を入れて、頭や腕の部分を人形遣いが指で操る仕組みになっています。

 

 

そんな国際色豊かなフェスティバルではありますが、一方、長野は郷土芸能の宝庫でもあります。今回は日程が合わず公演は観られなかったのですが、日本各地から郷土の人形芝居も集まってきており、その一端も見てきました。

 

会場は、黒田人形浄瑠璃伝承館。飯田市に300年にわたって伝承される黒田人形芝居の保存と継承を担う拠点施設です。写真は八王子車人形西川古柳座(東京都)のワークショップの様子。ロクロ車に人形遣いが腰を掛け、一体の人形を一人で操ります。

 

 

この施設の隣にある下黒田諏訪神社の境内にはこんな舞台も。天保11年(1840年)に建て替えられた、黒田の人形浄瑠璃を演じるための専用舞台で、国指定重要民俗文化財とのこと。ここを使っての上演、観てみたかったです。

 

 

また、もう少し足を延ばして、竹田扇之助記念国際糸操り人形館にも行ってきました。竹田扇之助がコレクションした国内外の人形がアーカイブされています。隣には歌舞伎舞台と兼用というめずらしいスタイルの小学校、旧座光寺麻績学校校舎 (明治6年築/長野県宝)も残っています。

写真は人形館の外観。秋田の猿倉の人形芝居や江戸後期の大阪にあったという幻の糸繰り人形一座・幽蘭座の人形などの展示が行われていました。

 

 

せっかく遠出したからには、土地の味覚もはずせません。馬のモツ煮「おたぐり」with 地酒の喜久水(上左)に、五平餅(上右)。元城下町だけあって、赤飯饅頭(下左)のような和菓子もバラエティ豊か。レトロなケーキさん(下右)やパン屋さんなど、そそられるものがたくさんありました。

 

 

8月の飯田はめちゃくちゃ暑かったですが、たくさんの人形劇と土地の文化を堪能できて、大満足。フェスタという形式も楽しいですが、その土地の独特な文化に触れる面白さを改めて感じて、各地の郷土芸能にももっと足を運んでみたいなとも思ったり。今年の夏のすこやかな思い出です。

 

とうふ

2018年09月14日 (金) 日々の出来事

信州~北陸 アートな夏

アートめぐりが大好きな私、今年は信州~北陸を巡りました。

 

国宝松本城。現存する唯一の黒壁天守は美しく、お天気が良ければ白いアルプスとのコントラストが素晴らしいことでしょう。

 

 

 

お城からほど近い松本市美術館。どの角度からみても思わず写真を撮りたくなる作品です。ちなみに自販機とゴミ箱もこんなにポップ。

 

そして、北陸・富山県へ。アートがテーマの旅、新国立競技場を設計した隈研吾氏設計のカフェ呉音(クレオン)に行ってみました。

105mm角の木材をひたすら重ねて作られた建物。中は森の中にいるような感覚です。

オーダーしたミルフィーユも建物をイメージしているのでしょうか。外気温は37度、癒しの空間でいただくスウィーツは格別でした。

 

最後は、「大地の芸術祭」です。十日町は「こしひかり」で有名な米どころ。今回は食文化にも焦点をあてているようです。「ザ おこめショー」というイベントに参加しました。

異なる地域でとれたお米を比較して食す、というイベントで、まずはお米のレクチャーから。同じ「こしひかり」でも、意識してみると、色、つや、硬さ、甘さが違います。

4種類を味わい、一番好きなお米のおにぎりと、地元の食材を使ったお弁当をいただいてイベントは終了。アートと食文化を一緒に楽しむ、地方ならではの取組みでした。

 

暑かった十日町ですが、冬は2~3メートルの積雪になるそうです。その下で大地もゆっくり休み次の田植えの力を蓄える、「だから美味しいお米ができるんだ」と地元の方が言っていました。やっぱり休養は大切ですね。

 

ちょび

2018年07月24日 (火) 日々の出来事

台湾で祭りに遭遇

6月に開催された特別企画公演 「花開く伝統―日台の名作と新作―」、ご覧頂けましたでしょうか。崑劇を観るのは、初めての経験でしたが、主演の温宇航さんが幕から出る時の足の運びなどは、能のような重厚さがあり、日本の古典芸能が好きな方でも楽しめる内容だったのではないかと感じました。9月には台中と台北での公演がありますので、台湾にお住まいの方がいましたら是非、劇場に足をお運びください!

詳細はこちら↓

https://www.facebook.com/GuoGuangOperaCompanytw/

 

 

さて、今回の公演を通じ、台湾の文化に興味を持った私。
一足早い夏休みを利用し、初めて台北に行ってきました。

 

一番興味があったのは「食文化(スイーツ)」!

 

 

台湾といえばマンゴーかき氷が有名ですが、カフェやパティスリーもお洒落でおいしい店が多く、満足。

 

さて、雙連駅近くの某有名店でマンゴーかき氷を堪能した後、次の目的地に向かって歩いていると。

 

 

 

何やら装飾が施された車が。

 

 

 

 

 

 

鳴り響く、銅鑼や哨吶。(たまに)爆竹の音。

 

 

 

 

 

 

交差点には壇が作られ、どう見てもこれは祭りの雰囲気。祭り好きとしては胸が躍ります。

 

 

これは、縁結びにご利益があることで有名な「霞海城隍廟」の城隍爺の誕生日を祝う祭り「五月十三迎城隍」で、この日のパレードは台北市の無形文化財にもなっているそうです。

 

 

 

そこで、霞海城隍廟にも行ってみました。お供え物が沢山ありましたが、特に祭りが行われている様子はなく、肩透かし。

 

 

 

 

町をブラブラしていると、別のパレードに遭遇。こちらは車だけでなく、神様(?)も一緒に廻ります。音楽を鳴らし、暑い中、市中を練り歩く感じは、祇園祭を思い起こさせます。

 

 

 

 

ただ、一般車両が通行止めになったり、警察が交通整理をすることはありません。途中信号で止まりつつ、結構な量の車が行き交う中、パレードは進んでいきます。

 

 

 

 

時には自分たちで交通整理をすることも。

 

 

 

 

壇が作られているところでは、厳かに参拝をしていました。

 

 

 

 

 

 

でも、その隣では、セクシーな女性たちによるダンスが披露されています。

 

 

 

 

 

一行は民権西路を越えて、さらに北へと進んでいきました。

 

 

調べてみると、この祭りは「霞海城隍文化節」として、1ヶ月程の期間に様々なイベントが行われているようです。今回、出会ったのは旧暦5月13日に行われるパレード(の一部)でしたが、旧暦5月11日の夜に行われる「暗訪夜巡」というものも、独特の雰囲気があって面白そう。

 

次回はぜひ、祭り目当てに行ってみようと思います。

 

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2018年06月27日 (水) 公演情報

インターンシップを終えて

今回、私は大学の講義の一環であるインターンシップで6月9日・17日に開催された『花開く伝統-日台の名作と新作-』のお手伝いをさせて頂きました。

その模様を、一部ですが皆様にお伝えしたいと思います!

 

 

【リハーサル】

6月5日からは、日台の共同制作「繍襦夢」のリハーサルが行われました。

初めて見る崑劇でしたが、特徴的な節回しや身振りなど、独特の雰囲気がとても印象的でした。メイクなどの打ち合わせにも同席することができ、公演が作り上げられていく様子を肌で感じることができました。

台湾の国光劇団の方々とは通訳を介したり、英語でお話したりと、日本語・中国語・英語が飛び交う現場で、とても貴重な経験でした。

 

「繍襦夢」リハーサル

「繍襦夢」メイク打ち合わせ

 

【プロモーションビデオ撮影】

6月7日には、9月に行われる台湾公演に向けたプロモーションビデオ撮影に同行させて頂きました。衣装デザイナーの方の事務所にお邪魔し、デザインの意図や普段のお仕事について伺いました。何気なく見ていた衣装のデザインも、そこに込められた考えを知ると全く違って見えてくるように感じました。

 

衣装デザイナー取材

 

【公演本番】

本番では、出演者が舞台に登場する際の揚幕係をお手伝いさせて頂きました。

舞台に出る直前の出演者の様子を間近で拝見し、その緊張感に自分も身が引き締まる思いでした。一流の方々の持つ雰囲気に触れることができ、お手伝いさせて頂けた有り難さを改めて感じました。

 

 

大学ではクラシック音楽を学んでいますが、横浜能楽堂で普段とは異なる分野を知ることができ、自分の分野を深めたり、新しいジャンルに挑戦したり……と今後の勉強への更なる意欲が湧きました。

 

今度は、是非とも観客として能楽堂に伺いたいと思います!

ありがとうございました。

 

〈おくとぱす〉

2018年02月11日 (日) 日々の出来事

横浜能楽堂和の楽しみシリーズワークショップ「匂い香」を開催しました。

平成30123()に横浜能楽堂和の楽しみシリーズ施設見学会付ワークショップの「匂い香」を開催しました。

前日の首都圏は大雪警報が発令されるほどの大雪で、当日朝、能楽堂に出勤してみると10cm以上も雪が積もっており、警備さんが一生懸命雪かきしていました。松の雪吊りにも雪が積もっており、雪吊りしておいて良かった!状態でした。特に午前の部は、皆さまに来ていただけるかハラハラドキドキでしたが、予定通り無事スタートしました。

 

ワークショップでは、案内役の松栄堂様が香りの材料や種類についてお話した後に、タブレット状の香りを組み合わせてオリジナルの匂い香をつくりました。皆さま真剣に、そして楽しそうに、香りの組み合わせに取り組んでいらっしゃいました。できあがった香りは縮緬の袋に入れてお持ち帰りいただきました。生活の中のさまざまなシーンでこ利用いただければ幸いです。

 

終了後のアンケートに多くのご意見を記入していただきましたので、ここで少しご紹介します。

自由意見

・ていねいな説明、材料も良い物を使うことが出来、本物の味を感じました。

・香の知識も増え、調合も楽しめました。とても良かった。香や日本文化が身近になりました。

・自分の好みの匂いが作れてとても嬉しかったです。大切にしたいと思います。

 

 

ご参加いただいた皆さまには、お足元の悪い中、お越しいただき本当にありがとうございました。また、道路事情等でご参加いただけなかった方は本当に残念でございました。皆さま、次回は公演にもお越しくださいませ。お待ちしております!

 

はぜの木

2018年01月28日 (日) 日々の出来事

出勤の楽しみ

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今年は年始から各地で大雪、厳しい寒さが続いていますね。
横浜能楽堂がある紅葉坂エリアも例外でなく、まだ道端に雪も残っていて寒々しく、外に出るのがおっくうになってしまいます。

 

そんな冬の寒い日でも、私には出勤の際にひそかな楽しみがあります。それは・・・

 

 

そう、富士山です。これは1月4日の初出勤の日の朝の様子。
事務所の入り口手前、楽屋玄関の前あたりから見た風景です。

 

ちなみに、先週のある晴れた日は・・・

 

 

大雪のあと、白い部分が広くなりました。
とくにきれいに見える冬場、晴れた日は、この景色が楽しみで紅葉坂を上る足取りも軽くなります。

 

ちなみにこれは、数年前に富士山の近くまで遊びに行った時の一コマ。

 

 

富士山ラベルの地酒とフジサン特急。
どこかに遠出したとき、その土地の地酒ワンカップを片手に、ローカル電車に乗るというのも、楽しみのひとつだったりします(その姿が人目にどう映るのかはさておき・・・)。
風景はもちろん、食やお酒などの文化も、地域によってさまざま。その土地の水や素材を使って作られたものを、その土地の空気の中でいただく、というのがいちばん贅沢でおいしいなあと思ったりします。

 

そこでしかできない体験という点では、芸能(ライブ)も同じ。演者の顔ぶれ、その日のコンディション、会場のお客さん一人ひとり・・・ ある特定の時間、そこに集まった人たちが共有して作り上げる空間には独特の祝祭感があって、ときには神聖にすら感じられることも。その日、その瞬間にしかない特別な場。芸能のルーツをたどると、洋の東西を問わず神事と結びつくものが多いというのもうなずけます。

 

とくに古典芸能は、長い年月をかけて磨かれてきた技と美学が詰まっていて、その味わいは地酒のように多様な魅力があって奥深い、かも・・・(というか単にお酒が好きなだけ?)。
いろんな方に、ぜひ横浜能楽堂に足を運んで自分なりの楽しみを見つけていただけたらうれしいです。晴れの日にはぜひ富士山も。正面玄関の前を通り過ぎてまっすぐ行った突き当り付近が、ビュースポットです。

 

*今後の公演情報はこちら
2/4 「能の五番 朝薫の五番」 ・・・能と沖縄の組踊りを一度にお楽しみいただけます
2/10 「能の花 能を彩る花」 ・・・いけばなと能のコラボレーションが観られる貴重な機会
2/11 「横浜狂言堂」 ・・・出演者による解説付き、毎月開催の人気企画

 

最後に、夕暮れの富士山の写真を。

 

 

本年がみなさまにとって幸多きものになりますように。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(と)

2017年12月15日 (金) 日々の出来事

紅葉狩に出かけました

先日の公演「能の花 能を彩る花」能「紅葉狩」では、能舞台上で紅葉が生けこまれて、
まるで深山が現れたようでした。

私も紅葉狩りをしてみたくなり、広尾にある有栖川宮公園に出かけてみました。

昔むかし、学生の頃この公園の中にある中央図書館によく行ったもの。
がっつりレポートに励むはずが食堂でカレー食を食べてコーヒーを飲んで、
なぜかまったりで一日が終わってしまったほろ苦い思い出が蘇る晩秋の小道。

池のほとりの木々は見とれるほどに見事に紅葉しています。

大きな公園は日本庭園を模しているため、たいてい立派なお池がありますね。
横浜能楽堂のおとなりの掃部山公園にも池があるのをご存じですか?
桜の季節は池に花びらが浮かび美しい眺めになります。

公園をぐるりとのぼりきったあたりには、立派な銅像があります。

馬にまたがった勇ましいこの方は、有栖川宮熾仁(ありすがわのみや たるひと)親王(1835-1895)。
この公園の主のよう!
日清戦争などに武功があった方と、横の看板にありました。

ちなみにこの熾仁親王の異母弟である有栖川宮威仁親王(ありすがわのみや たけひと)の夫人・前田慰子(まえだやすこ)は、横浜能楽堂のもともとの所有者である前田斉泰の孫なのです。
第14代加賀藩主・前田慶寧の四女にあたります。
思わぬところで、横浜能楽堂とつながりが発見できてうれしくなりました。

広尾は周辺に各国大使館が点在するインターナショナルな街でもあります。
帰り道にナショナル麻布スーパーマーケットに不時着サンタさんを発見、あらら・・・。

みなさま、素敵なクリスマスを!

rdzv2017

2017年09月23日 (土) 日々の出来事

ヨコハマトリエンナーレの展示を見てきました

横浜在住21年目になる私ですが、今まで一度も見に行ったことのなかったヨコハマトリエンナーレ。
満を持して(?)見に行って参りました!

今回私が訪れたのは横浜美術館の展示。 美術館の外壁も一つの作品になっていて、いつもの横浜美術館とはちょっと異なる雰囲気になっています。
中に入るとすぐ目に飛び込んでくる巨大なオブジェは、力強い雰囲気を放っていて圧倒されました。
この先にたくさんの素晴らしい作品が展示されていたのですが、すべて書いてしまうとネタバレになってしまうので、ここからは私が展示全体を見て感じたことを述べたいと思います。
 
今回のトリエンナーレのタイトルは、「島と星座とガラパゴス」。
展示を見る前はなんだか神秘的な響きを持つタイトルだなあ、くらいにしか思わなかったこのことばですが、展示を見た今、それが何を言いたかったのかがすっと腑に落ちるような、そんなタイトルだと感じました。

一人の作家さんの作品が集まって作られる「島」、そしてそこを巡る私たちの軌跡や、作品を見て、それらを繋げて意味を持たすことが「星座」。
そうやって作品を見ていくことによって、無意識に「ガラパゴス」になってしまった私たち自身の世界をもう一度開いていく、無意識に「ガラパゴス」になってしまったことに気づかされる、そういう展示なのかなと思いました。
そうやって考えるとこの展示会を横浜でやる意味も見えてきて、なるほどつながるなあと思いました。
展示の中には私にはまだ理解できないようなものもたくさんあって、それらが分からないことがとっても悔しかったし、私もやっぱりガラパゴスなんだと思い知らされました。

長々と書いてきてしまいましたが、全体的にキャッチ―な作品も多く、写真撮影もできるので今流行りのインスタ映えもする楽しい展示会でした!
三年に一度の特別な展示会、皆様もぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

ヨコハマトリエンナーレ2017

まる

2017年08月16日 (水) 日々の出来事

職場体験2017

高校1年生の生徒さん2名が、この夏、横浜能楽堂に職場体験に来てくれました。

 

この職場体験は高校生のキャリア教育の一環として横浜能楽堂が受入れをしており、今年で3年目になります。今年の高校生は、どのように能楽堂の仕事を感じてくださったのでしょうか? レポートをご紹介します。

——-

暑い日が続きますが、皆様はどうお過ごしでしょうか。

 

私たちは8月5日(土)に行われた「横浜能楽堂講座 人間国宝・山本東次郎先生の『狂言の時間』」と8月7日(月)から行われた「こども狂言ワークショップ~入門編~」のお手伝いをさせていただきました。

 

5日はプログラムの配布と場内警備※を担当しました。お客様をお出迎えする立場となるのは二人とも初めての経験だったためとても緊張しましたが、職員の方々のサポートもあり無事終えることができ、貴重な体験となったと感じております。

※客席内に座ってお客様や舞台進行に目を配る役目です

<プログラムを落とさないようにお子さんには目線を合わせて配ります>

また、「狂言の時間」の中で東次郎先生がおっしゃっていた「狂言は暴力や物を壊すシーンなどの醜いものをできるだけ美しく見せようとする」という言葉は、私たちにとってとても新鮮で印象深いものでした。

 

終演後に、歴史ある狂言面を間近で見ることができたのも、貴重な体験の一つです。

 

7日は、9月2日に行われる特別公演「左右左」という舞台のリハーサル会場の準備をお手伝いした後、「こども狂言ワークショップ 入門編」の受付と記録を担当しました。

 

「左右左」会場準備を通して一つの舞台にも沢山の方々の思いや働きが詰まっていることを感じることができ、その後のリハーサルの見学では演者さんの迫力に圧倒されました。特に、人間国宝である大倉源次郎さんの小鼓の演奏は空気を変えるようでとても心に響くものでした。より多くの人に観ていただきたいと思います。

 

「こどもワークショップ」では私たちよりも年下のお子さんたちが一生懸命お稽古を受けており、この中から次世代を担う演者さんが生まれるのかもしれないと思うと、感慨深いものがありました。もっと多くの若い人にワークショップに参加していただき、狂言を知ってもらうきっかけになったらいいなと思いました。

 

この2日間で今まで関わることのできなかった職種の方々にお会いでき、私たちの成長に繋がったと思います。横浜能楽堂でしかできない体験を沢山させていただくことで古典芸能への興味も深まり、更に色々な舞台に足を運んでみたいと感じました。

 

2日間様々なサポートをしてくださった職員の方々にとても感謝しております。

 

本当にありがとうございました。

 


Nさん、Mさん、2日間どうもありがとうございました。とくに「左右左」のリハーサル会場の準備では、広いスタジオにリノリウムを敷いてテープを貼る作業に一生懸命取り組んでいた姿が印象的です。

 

<リノ敷きは実はけっこうな肉体労働です>

 

機会があったらまた能楽堂に遊びに来てくださいね!

 

RDZV2017

 

2017年03月26日 (日) 日々の出来事

さくらさく

花のつぼみがほころびはじめ、はなうたまじりの今日この頃です。

皆さまいかがお過ごしでしょうか?

わたしは花粉症です。

 

 

横浜能楽堂のお隣、掃部山公園の入り口には、色とりどりの花が植えられていました。

かわいい!

 

こちらは3月25日から始まるGarden NecklaceYOKOHAMA 2017(公益財団法人都市緑化機構)という横浜の全国都市緑化フェアのひとつとのこと。

春はカラフルな色の服を着たいと毎年思うのですが、毎年買わずに終わります。今年こそは……。

 

お花見の名所でもある掃部山公園には、200本の桜の木が植えられているそうです。

横浜市は4/5が満開予想日ということですが、少しでも長く咲いて欲しいと思いつつ、散り始めて風に舞う桜の花びらも大好きです。(遠山の金さんごっこも好きです。)

 

ちなみに3/25の出勤時ですが、掃部山公園の桜はまだほとんどつぼみでした。

週明けには暖かくなるようなので、ついに咲くかな? と、心待ちにしています。

 

横浜能楽堂では、みなとみらい21さくらフェスタ2017(facebook)の関連イベントとして、4月1日に特別見学会を開催します。

お時間は10:30と15:00からの2回。各回とも無料でご予約は不要です。

正午より、呈茶席がございます。

こちらはおひとり様300円で、お抹茶に横浜能楽堂オリジナル和菓子「鏡板」が付きます。

「鏡板」は加賀銘菓の老舗・諸江屋さんの伝統技法で作られた生落雁で、なんとなんと、この時期だけの桜のモチーフと桜色!(すてき!)

春らしいお菓子をお楽しみください。

 

もちろんショップにも、お土産としてご用意しております。

お花見のお茶請けにはもちろんのこと、お酒好きな方も、辛口の日本酒とあわせてぜひどうぞ!

皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

 

追伸:桜酒って良いですよね……。

 

 

もんろう

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